「テーマ」と「題材」はちがう

『エッセイ脳』(岸本葉子)を読んでいて気づいたこと。
               
著者がエッセイの依頼を受けるとき、ほとんどの場合テーマが決まっているらしい。
そして、テーマに沿った文章を創るために、まず最初に題材をさがすと言う。
                   
本では、著者が「恋文」というテーマで
題材には、仕事で受け取った文章のミスを取り上げている。
エッセイのほとんどは、恋文とは程遠い内容なんだけれど、
有名な映画の恋文のシーンでエッセイを書き出し、まとめでも話題をキチンと恋文に戻している。
                          
読んでいて気づいたのは、「「テーマ」と「題材」はちがう」ということ。
確か、山田ズーニー氏も、論文の書き方の本で似たようなことを言っていたような気がする。
                   
振り返ってみると、学校時代から論文で何かテーマを与えられると
とりとめのないテーマをそのまま論じようと、でっかく身構えてしまい
訳のわからない文章ができあがり、いつも話がまとまらなかった。
                      
だいたいにおいて、テーマは曖昧でつかみ所のないものが多い。
だから、論文の出来は、身近な具体的な事で、
ちゃんと出題者が出したテーマに沿った題材で話しを進められるかが
重要なポイントになる。
                  
情報を発信する仕事で生きていこうとするにおいて、
忘れかけていた大事なことを思い出させてくれた。