売っておしまいというのではなくて

NHK教育TVで『グラン・ジュテ』という番組がある。
今、いろんな分野で活躍している女性たちを取りあげ、
跳躍のキッカケとなったことを語ってもらっている。
                 
以前、静岡県でカツラ専門美容室を経営している女性を取り上げていた。
その人は、最初は看護士を目指していたが、
闘病中のがん患者の悩みを解消してあげたいと一念発起し、
裕福でない女性でも購入できるカツラを販売することを始めたという。
       
番組の中で彼女が言ったことばが印象的だった。

   カツラを売っておしまいというのではなくて、
   売った後にカツラをつけて過ごしてもらっておしまい

あと、なかなか社会に認知してもらえないときに会った
コンサルタントに助言された「思いをキチンと伝える」
というのも心に残った。
                 
実は、
「やりたいことがハッキリしていれば、あとすることは決まっている」
というような発言をあいまいに記憶していて、
それをテーマに記事を書きたいなって思い、
ビデオを早送りで見直したんだけれど、目的のことばは確認できなかった。
                   
でも、「売っておしまいではない」っていうのは
忘れていたので、見直したことの収穫はあった。
                
売っておしまいではなく、楽しく過ごしてもらうことまで考える。
                
人の生活は継続的なものである。
「売買」というのは、各人の生活の瞬間瞬間でしかない。
だからこそ、売ったり買ったりという行為が
その後の生活にどう関わっていくのかっていうのを考えるのは
ある意味、創造的で面白いことだろう。