索引を引けば出てくるもの
「ほぼ日」で、映画の中で使われる食事について、
糸井氏が藤原帰一氏と飯島奈美さんの食事をしながら語り合っていた。
飯島さんは、映画料理のアドバイザーって言うのかな、
ハッキリした肩書きはわからないんだけれど)
『かもめ食堂』の料理は飯島さんの手によるもので、
糸井氏はその料理に強い衝撃を受けたと言っている。
ドラマの現場って、服なんかもそうなんですが、
こういう年代のこういう人はこういう服っていう、
索引を引けば出てくるみたいなものがあって。
料理も倉庫にあるものが順番に出てくるんですよね。
それを、飯島さんのような人があらわれて、これだけやられると、
やっぱりこっちのほうがいいやっていうふうに変化していくでしょうね。
糸井氏のこの発言、
「索引を引けば出てくるみたいなもの」
「倉庫にあるものが順番に出てくる」
ということばに、鏡に映った今の自分を見てしまった。
今、やたらめったら気になった本を読んでいるのは、
「索引を引けば出てくるみたいなもの」を探しているだけではないのか?
一生懸命にこだわり抜いて、プロに徹して、ってやっていけたらいいけれど、
そんな覚悟はないから、どうしてもすぐに引き返せる程度にしか
足を踏み入れられない。
そんな感じでずっと過ごしてきた。
でも、いくら本を読んでも求めるものは本の中には無かった。
じゃあどうしようって、結局答えは出ないんだけれど、
オリジナリティやこだわりを目指すのではなく、
「索引を引けば出てくるみたいなもの」を作る側
「順番に出てくるものがしまってある倉庫」の番人
の方に、何か職は無いのだろうか、と期待をしてしまう。