広告は、モテない君のラブレター

『明日の広告』(佐藤尚之)の中で、
著者が広告をラブレターに例えて面白いことを言っている。
                   
昔は、広告媒体が限られていたから、
  ラブレターが相手のてに渡りやすかった。
  他に楽しいことが少なかったので、ラブレターはとても喜ばれた。
  渡したラブレターを相手がちゃんと読んでくれた。

だから、しっかり愛情が伝わるラブレターさえ書けば、相手を口説き落とせた。                      
でも、ネットの普及した現在は
  ラブレターが相手に届きにくくなった。
  他に楽しいことが山とあり、相手はラブレター自体に興味をなくしている。
  ラブレターを読んでくれたとしても、口説き文句を信じてくれなくなった。
  ラブレターを友達と仔細に検討し、友達に判断を任せたりするようになった。
                      
よって、モテない人は、とことんモテない世の中になってしまった。
っで、モテない君がすべきことは、
  相手の趣味や行動を調べ、よくよく観察し、相手の身になってみる。 
  その上で相手の行動を先読みして待ち伏せし、確実にラブレターを手渡す。
  他の楽しいことに目が行かないようし、感動的なラブレターで口説く。
  相手の友達にも気に入られるよう充分ケアする。
            
これが、佐藤氏の示す処方箋。
指摘していることは全て的確だ。でもハッキリ言ってシンドイ。
                     
佐藤氏は広告代理店の人間だから、
消費者を観察することの重要性を第一に考えるのは当然だ。
彼らは、クライアントである供給者側と、
ユーザーである消費者との間の橋渡しをするのが任務なのだから。
                        
しかし、まず自分があって、次に相手との関係があるはず。
だから、供給者である側の人間は、製品のメーカーであれ流通業者であれ、
まず自分たちの存在をしっかりと根付かせなければならない。
             
そうなると、「ほぼ日」で糸井氏が言うように
自分の「面白い」がものさしとなるのだろうか。
自分の「面白い」が、他人の「面白い」とどれだけ重なり合えるか不安だけれど。