パクりの技術
『キャラクター小説の作り方』(大塚英志)で、
ついつい言いがちな「オリジナリティ」ということばについて、スパっと斬っている。
ぼくたちは全く何もないところからすべてを作り出すのではなく、
先人の作った財産の上にあくまで物を書いているのです。
それを忘れて軽々しくオリジナリティなどと口走ってはいけません。
言ってしまえばぼくたちは大なり小なり誰かから「盗作」をしているのであって、
むしろ創作にとって重要なのは、
誤解を恐れず敢えて記すればいかにパクるかという技術です。
すでにある周辺領域の作品から何をどうやってパクるかはとても重要な方法です。
ビジネス関連の本を読むと、ほとんどが
「オリジナリティを身につける」「他社との差別化」「専門特化」など、
まだ誰も見つけていない宝物探しばかり。
それなのに、これはパクりの賛美論。
「何をどうやってパクるか」という技術が大事だという。
パクり。
それは、手塚治虫など巨匠と呼ばれる人たちもやっていた。
但し、著作権やら特許やらに抵触しない範囲で。
合法的なパクリ。
でも、それはタダの猿真似ではない。
パクリだけに終わらせないで、何かしらを組み合わせて、
充分に楽しめる作品としてきたからだ。
読み出したばかりで、どのような展開になるのかわからないけれど、
ビジネスなど自分の進路について、気が楽になりそうな感じだ。