「入門」の域

「ほぼ日」の伊丹十三特集で、玉置泰氏との対談で、糸井氏の発言。
                       
  けっきょくぼくらのできることって、「入門」の域を出ないと思うんです。  
   ぼくらは研究者でも批評家でもないので、
   入念に下調べをして事実をひもといていくというわけじゃなく、
   ふつうに、読んでるお客さんと同じ視線でいろんな人と会って、
   それについて知ることをおもしろがっていく。
   それ以外に、ないんですね。
   ですから、今回、伊丹さんの特集をやるにしても、
   詳しい人が見たら「うわっつらだなぁ」って思うかもしれませんけど、
   浅いところでしっかりウロウロさせてもらって、
   たくさんの人との接点がつくれれば
   それがいちばんいいんじゃないかと思ってます。
                              
何かをするにあたって、駆け出しであるることの引け目。
勉強不足であることの不安。
いつもそんな落ち着かない状態から抜け出せない。
                  
もっと満足のいくよう、もっと自信をもって見せつけられるよう、なりたい。
今よりすばらしい自分を夢見て走り続けている。
                       
「右に出るものがいない」ってほどの専門家になって、安心したい。
       
でも、それは自分の影に怯えて逃げているだけ。                
いつになっても、心は安らがない。
                 
だったら、「初心者」のままでいいのだろうか?
「入門」の域を出ないでいいのだろうか?
入門者向けのぬるま湯に浸かったままで。
             
だとしたら、気が楽になる。