他の人とうまく組んでいく仕組み
『お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ』での糸井氏のまえがきから。
得意なこと「だけ」を仕事にしていれば
いいという時代が、かつてはあったと思います。
持ち場の仕事を丁寧に一生懸命やってさえいれば、うまくいった時代。
でも、自分の仕事をきちんとやるためには、
他の人と組んで何かをする仕組みをつくらないと、
本当の意味での完成にはとどかせることのできない
時期になって来たように思います。
逆に言えば、他の人とうまく組んでいく仕組みを作らないと、
いつのまにか自分の仕事がなくなってしまいかねない、
そういう時代なのでしょう。
いつのまにか、ほとんどの人が、その時代にさらされている。
努力をして、コツコツやっていれば絶対に大丈夫、
なんていうものがなくなってきて、
「じゃあ、どうすればいいんだろう?」と、
いろいろな人が少しずつ模索をはじめている時期だとぼくは思います。
自分は、会社をやめてフリーになることで、「依存体質」から脱却することができたけれど、
それは、単なる「逃げ」の手段であり、
より大きく成長するための脱皮という過程ではなかった。
いろんな負担を強いられる煩わしさを嫌っていたら、
結果として、「他の人とうまく組んでいく仕組み」を拒否していた。
自分一人だけになって、
孤独の中で自分という人間を熟成させるのもすごく大事だけれど、
他人との関わりあいの中で人々と結びつき、自分の役割を探す、ということも大事。
孤独と結びつきのバランスが難しい。
現在は、糸井氏が言うように、
「他の人とうまく組んでいく仕組み」を作らなければ、生きていけない時代。
そうしないと、「いつのまにか自分の仕事がなくなってしまいかねない」。