「ちょっとずつやる」

もう一つ、八谷和彦と糸井氏との対談から。
                       
 八谷 プロバイダは、もうその当時から価格競争になると言われていたから。
     水道屋さんとか電気屋さんと一緒で、結局提供しているサービスは
     そんなに変わらないんですよ。
     コンテンツ勝負になるっていわれてて、
     「ソネットはコンテンツで勝負します」と言ってたから、
     会員が集まるようなサービスがこれで実現できれば、
     ペイラインを低く出来るなぁ、と思っていました。
 糸井 あれはコンテンツとしてだったんだ。
     メディアじゃなくて。
 八谷 ええ。最初は。それを目当てに会員が入ってくれればいいという。
     実際にポストペットのために使うお金を
     とにかくミニマムにしようと思っていたんですよ。
     マーケッターのときに、自分がそれまでの仕事の失敗から学んでいた、
     成功するための秘訣は「ちょっとずつやる」ってことだと思っていたんで。
     最初から大風呂敷を広げて10万人集めればこのお金をペイできます、
     っていうんじゃなくて、
     ちょっとずつ重ねていって、失敗したらひきかえせばいいじゃん、
     ってやってみたかった。
     最初からマスを目指さずに。
                             
「ちょっとずつやる」   どこかで聞いた。
                            
「ブログでHP」で知られているWEB総合研究所の吉本俊宏氏が、
ホームページを営業ツールとして上手に活用するコツは、
「小さく生んで、大きく育てる」ことだと言っている。
                  
最初から、何でもかんでも積み込むこもうとすると、
出だしから身動きが取れなくなりがち。
                                         
それよりは、最小限の機能を持って、まず一歩を踏み出してみる。
動き出してから、問題が発生するたびに、解決策を練るようにする。
                  
この場合、どうしても場当たり的で、継ぎ接ぎの対応策になりがちだ。
だからといって、最初からブカブカの服を着用してはダメ。
継ぎ接ぎではやりきれなくなったときに、初めて大き目の鎧に着替えるようにする。
ムダな出費に感じるかもしれないが、
必要になった都度、服を替え、場所を替え、をしていくようにするのが、
機能としては一番合理的だ。