ひとつひとつ、できることをやる。

「ほぼ日」の『社長に学べ!』シリーズで、
クオカの斉藤賢治氏と糸井氏の対談から


  糸井  斎藤さんは親父さんに「パソコンはだめだ」と言われたとき、
      説得するんじゃなくて妻に頼んで36回ローンにしました。
      そのパターンですよ。
      「勝ち取る」とか、そういうふうにはしない。
      勝ち取らないけどやめてない、絶対に。
      壁を触りながら迷路を探るネズミのように
      やめないで、いろんな道を進んでいく。


      それは、今の時代には特に難しいことに
      なってしまっているんじゃないでしょうか。
      「もっと見えるものをやりたい」
      「勝つんだったらやります」
      そういう気持ちが、今は強くなってしまっているから。

何か保証された未来を当然のごとく要求してしまう世の中。
そのような風潮のなかで、本当に必要なのは、
先が見えなくても行動すること、とりあえずやってみること、
なのだろう。


そのために必要なのは、センスとかではないらしい。


  糸井  斎藤さんは、いちいち説明がつくことばっかりを
      順番にやってますよね。


      大飛躍で「ここは閃きですよ」みたいなことじゃなくて、
      全部見えるところで、こうかな? こうかな? と
      ひとつずつ変わりだまをつくるみたいに
      大きくしている感じがします。


ひとつひとつ、できることをやる。
かっこよくしようなどとは思ってはいけない。
手を抜かない。丁寧にやる。まじめにやる。


どんな仕事でも、必要なことはそれだけ。