掘り下げたアンケート

散らかりっぱなしの部屋を片付けた。
以前取り上げた『R25のつくりかた』
の本が出っぱなしだった。久々にめくってみる。


この本の著者は読者へのアンケート調査を
作業の中心に据えて雑誌製作をしている。


笑福亭鶴米氏と糸井重里氏の対談では、
アンケートに対して二人とも批判をしていた。
著名人の意見に流されやすい拙者は、
アンケートは判断を他人に委ねたダメな方法
と考え、アンケートに否定的になってしまっていた。


でも、この『R25のつくりかた』は、
捨てる気にならなかった。
読み返してみると、頷く箇所が何回もある。


「何でだろう?」


創刊時の姿勢が、世間常識の逆をついているからだろうって思っていた。
でも、それだけではなかった。
この雑誌では、薄っぺらいアンケート調査だけで終わりにしていない。
隠れた気持ち、アンケートに答えた人たちも気づいていない気持ち、
を丁寧に掘り起こしている。


その大変な経験を、たくさん語っているので、
この本が手放せない。


アンケートがいいか悪いかではなく、
単に数字を追いかけ、数字で満足するようなモノではダメってことだ。





アンケート結果って、
一番大きな声を拾い、その要請に応えるのが普通。

たしかに、外れはしない。


でも、そこに潜む声を掘り起こす。