イメージと言語化
『美術手帖 2010.10 (佐藤雅彦特集)』 の中で佐藤氏は言う。
面白さの蒐集で大事なのは、「うまく思い出すこと」。
最初から言葉で探してはだめです。
言葉になっていないもの、わからないものを言語化するんです。
世の中にはすでに言語になって定着している
面白いことがいっぱいありますけれど、
それをやるのでは新しくないですから。
何かあると、すぐにネットで検索する癖がついている。
わからないことを知るには、便利な世の中になった。
分厚い辞書をめくる必要もないし、図書館まで行かなくて済む。
以前だったら、漢字を知らないために、たどり着けなかったり、
聞きことばをうる覚えだったばかりに曖昧のまま放っておいた
という事柄も多い。
でも、googleのトップページに検索ワードを打ち込むとき、
我々は、すでにキーワードを言語化している。
それまでは、頭の中ではイメージでしかなかったのかもしれないのに。
イメージを言語化するとき、その対象物を、
独立したもの、個として存在する絶対的なもの、
として、無意識に意識している。
言語とは、イメージにとって邪魔者なのか?
それとも強力な補助者なのか?