「自己実現」の強要

美術手帖 2010.10 (佐藤雅彦特集)』 を、図書館から借りてきた。
「これも自分と認めざるをえない展」は、昨年11月に終わっていた。
佐藤雅彦氏のことを知るのが遅すぎたようだ。


  大学で教鞭をとっているのだが、、
  就職を控えた学生に学校側の指導で、、必ず出てくることばとして、
  「自己実現」「自分の存在意義」とかを
  確立しなさいというのがあると言う。


  このことばには、若者たちに「何者かになれ」と強要している。
  そして、ひとかどの人物になれなければ負け組となって、諦めてしまう。
  でもそこで自分にではなく、世界に意識がいっている希望がもてる、
  諦める必要がなくなるんです。


「夢はなんですか?」「やりたいことは?」と質問されてた若者が
「夢、別に。。。」「特にありません。」と答えると、
「最近の若者には覇気がない。」とコメントする年配者、
というのは就職難を取り上げたTV番組のお決まりのパターン。


「夢」があるのはすばらしいこと。でも、強要されるものではない。


自己実現した人は尊敬に値するけれど、
でも、場合によっては、他人に対して自分をごり押しする人間だったりする。