情報操作のベルトコンベア

以前、『坂田 耕 CM対談』を読んでいて、気になった発言をコピーペーストして、
デスクトップにテキストファイルに保存しておいたのを読み直した。

アートディレクター葛西薫氏との対談のコーナーで、
葛西氏が最近のTVCMについて苦言を呈している。


   「桜が咲いたらピンク色」というものがあるとすると、
   「春=桜=ピンク」といった頭の中の図式によって、
   もう表現が、完結したように思ってしまうことがあります。
   本当は寒い時や暖かい時、雨の時、晴れた時、
   それを見る自分の精神状態によってピンク色も微妙に様々に違う筈なのに、
   そのあたりが全部記号化されて、
   「春=桜」「桜=めでたいもの」といったような、
   そういう全集合が15秒に詰まっているような気がします。
   ほんとはその隙間にものすごい量の情報というか、
   人間の知覚能力があったような気がするんですが…。


自分の思考回路も気づかないうちにそのような世間的な常識に、
いつのまにか洗脳されているんだろうかと不安になる。


扇動的な報道には、常に敏感に反応して、排除してきたつもりだ。
でも、記号化した思考は、生活上の便から、
取り入れなければやっていけないモノも多々ある。


でも記号化した思考、パターン化した思考から、
そのまま心理的なことに連れて行く
情報操作のベルトコンベアに、
いつの間にか載せられていたようだ。


どうしたら、そのような情報操作から
逃れることができるのか?