まずビジョン
坂田耕氏と大貫卓也氏の、CMについての対談
(http://www.acc-cm.or.jp/kaiho/105/16taidan/index.html)
を読んだ。1,2ケ月前にも、大貫卓也氏というCM作成者の名前を知ったとき、
検索かけたら、ヒットしたページだ。
今回、佐藤雅彦氏と島森路子氏との対談を読んで、名前が出てきたので、
ネットで検索かけたらまたこのページがヒットしたので、開いて読んだ。
対談のタイトルは、『広告にモラルを持たせたい』。
その中で、坂田氏の「今のCMプランナーはおもしろさだけを追求しちゃうんだよね。」
という発言を受けて、
「 ブランドを作るということを考えていないし、広告という根本的な機能を
果たすという意識が低い。(中略) だから最近のプレゼンテーションで
勝つということは、レトリックの勝負であって、本質的でないと思います。
自分で仕事をするときに何に一番悩むかと言うと、どういうビジョンを提
示すべきかということですよ。ストーリーのことなんか考えていないんで
すよ。そんなこと後付けの話でどうでもいいんです。 」
この行を読んで、やっとわかった。
というか、わかってたつもりだったのに、全然わかっていなかったことを思い知らされた。
「あぁ、世間に訴えかけるには、物語が大事、ストーリーテリングの才能が必要だ、
て思っていたけれど、そうじゃなかったんだ。それ以前に準備するものがあったんだ。」
物語を語るには、まずビジョンがなければいけなかったんだ。
その(売り込みたい)商品を通して、
・社会に何をもたらしたいか?
・社会や人々が、どうなったら良いと考えているか?
・世の人々に、何を問うてみたいのか?
まず、それを十分に煮詰めて考えないと、物語は湧いてこない。
ビジョンがないところに物語を創作しても、
うそ臭い話、薄っぺらい話、しらけた話にしかならない。
ビジョン。使命。志。
すぐに答えが出るものではない。
だから、ビジョンだの、志だのについて、考えるのがイヤになってしまう。
しかし、すぐには答えが出ないからこそ、常に考え続けなければならないテーマ。
このブログを始めた当初、マーケティングのハウツー本を読み漁っていて、
客を惹きつけるには、「コンセプト」や「物語」が大事だ、という考え方に染まっていた。
でも、なかなか物語を紡ぎ出せない。
考えても考えても、妙案が出ない。
乾いた雑巾を一生懸命絞っているようなものだった。
で、暫くしたら、物語を考えることを止めてしまった。
いくら考えても何も生み出せない状況が続いて、
気づくと、いつのまにか考えることをさぼってしまっていた。
何回かは自分自身に言い聞かせをしたが、怠け癖は抜けない。
そして、別のマーケティング論とかを追っかけていた。
しっかりした土台を作っていないのに、小屋を建てようとしても
しっかりした小屋が造れるはずがない。
しっかりとした土台造りに取り組まなければならない。