才能のちがい

『ことばに出会う』(島森路子)を図書館から借りてきた。


著者検索機能で、「佐藤雅彦」と入力して引っ掛かった。
島森氏と、業界著名人とのインタビュー集だ。


佐藤雅彦氏の章を読んだら、生まれ田持った才能のちがいを感じた。


佐藤氏は今、慶応大学藤沢キャンパスで佐藤研という研究室をもって
学生たちに講義をしている。
佐藤氏の講義は人気が高く、200人から300人くらいの応募の中から
試験で15人を選ぶという。


  「 (試験で集まった学生が)一期生のとき、最初に僕が黒板に「compute = 計算する」
    と書いて、「計算することでアニメーションを作りましょう。」と言ったんです。で、
    みんなピンとくるわけです。しかもピンときてるのが、自分だけじゃないことがわかる
    わけですね。                                  」


私には、何をしたいのか分からない。
  計算ずくのアニメを作りたいのか?
  数字ばかりが画面に出てくるアニメを作りたいのか?
  マーケティングリサーチの結果を取り入れたアニメの展開をしたいのか?
  計算式や、公式をアニメ風に説明したいのか?
  計算をゲームやクイズ形式にして、アニメで計算ゲームをしたいのか?


いくら考えても、ピンとくるものがない。


また、島森氏が、課題探索の難しさについて、質問をした。


  島森
  「 佐藤研では、1年目の学生に対しては課題を与えて生徒たちが答えるやり方をしている
    が、そこから次第に、自分で課題を見つけなければいけなくなる。これはいまのこども
    たちにとっては難しい問題でしょうね。                     」


  佐藤
  「 いまの学生だけではなく、われわれにとっても難しい問題です。社会に出たら、本当は
    自分で課題を見つけなくてはならない。 (省略) 多くのところはやっぱり、みんな
    自分の会社が何をすべきか手探りで探しているんですね。             」


  島森
  「 自分で何をしたいかを見つけるのは、実際難しいでしょう。            」


  佐藤
  「 いや、難しいことだと思います。問題ができれば、解答はあるようなものですよ。やっ
    ぱり問題を作る力ですよね。いま世の中で何が問題なのかとか、何を問題とすべきかと
    いうことが、一番難しい。それができるかどうかなんです。            」


以前、糸井重里氏だったか、田坂広志氏だったかが同じことを言っていた。
与えられた問題に対して正解を答えるだけのエリートではなく、
これからは、自分で問題をつくる人間が必要だ、というようなことを。