ゲームという餌付け

ゲーム業界の開発競争の続き。


カナダには、ゲーム評価を業務として請け負っている会社がある。
ここでは、手練のゲームプレーヤーを大勢雇って日中ずっと
持ち込まれた発売前のゲームをさせている。


ゲーム中のプレーヤーの表情を観察したり、実際に操作してみた感想をヒアリングして、
ゲーム製作会社にその評価を伝えている。


大部屋の中で大勢のプレーヤーたちがゲームに熱中している姿をみて、
実験に使われているマウスのように見えてしまった。


プレーヤーは、大好きなゲームでお金まで稼げるのだから
喜んでこの会社に来るが、中には脱落者が出てくる。
一日中ゲームばかりやっているのだ、おかしくなるはずだ。


会社としては不足した分、新しく補充するだけ。
会社にとっては、ただの実験動物。


そのように思った後に、新作ゲームの発表会の会場で
はしゃぎながらゲームをする若者を見ていたら、
彼らもゲーム会社に飼いならされたマウスのように見えてきた。


ゲームという餌付け。


一方で、日本人のゲーム開発者は良い作品を作るため、
妥協せず、徹夜つづきで仕事をする。


職人魂はすばらしいと思うし、いい加減な自分としては見習うべきところだが、
身を粉にしてゲーム製作をするのは、何かちがう。


彼ら製作側の人間も、ゲームという餌に餌付けされてしまっているように感じる。