アンケートではわからないココロの内側

『「R25」のつくりかた』にて著者の藤井大輔氏は、リサーチデータですべてが見えたりしないと述べている。

定量調査のデータ分析は重要なのですが、どうも僕にとっては、コンセプトやアイデアを考えることに直結しないことが多い。要は「マーケットは見えてもターゲットは見えない」のです。」

藤井氏は、R25の創刊にあたり、ターゲットであるM1層の生活様式や行動パターンを調査するのに、アンケートやインタビューをしつこくおこなっている。

その作業を重ねる中で藤井氏は、世間一般に言われているこの世代の特徴が実際とはズレていることを見つけ、なぜズレが発生したかを推理し、彼らの心理を洞察している。
彼ら(二十台男子)の心の変遷は、数字に現れることはないし、彼ら自身も気づいていない、ことばなっていない部分もある。


また、糸井重里氏が『ビジネスプロフェッショナルの仕事力』の中で

「すべての情報を網羅できる、手に入れられるというのがインターネットの特徴と思われがちだけど、それは無理だし、勘弁してくださいという思いもあります。それよりは小声の、心に近い情報がほしいですね。何歳代の人が買っているというような事実は知ろうと思えば知ることができるけど、ほとんど意識していません。そこにとらわれるより、この年齢層の人がこんなふうに喜んでいるなら他の世代の人が買ってもうれしいんじゃないかと思いをめぐらせることのほうが重要だと思うんです。」


マーケティングで調査をするのもいいけれども、それよりもそれを購入(購読)した人、またはこれから購入(購読)して欲しい人のこころの内側を知ることの方が大事だ。