仕事とは自分を誇示する手段ではない

『自分の仕事をつくる』(西村佳哲)より

「人間は「あなたは大切な存在で、生きている価値がある」というメッセージを、つねに捜し求めている生き物だと思う。そして、それが足りなくなると、どんどん元気がなくなり、時には精神のバランスを崩してしまう。
「こんなものでいい」と思いながらつくられたものは、それを手にする人の存在を否定する。」
   ・・・・・
「仕事とは自分を誇示する手段ではなく、自分と他人に対するギフト(贈与)であり、それが結果としてお互いを満たす。これは理想論だろうか。」


これは、大量生産、大量消費がすでに時代遅れになった現代おいて、あらゆる産業に当てはまることばだろう。
仕事の意味は、農産物や工業製品などの生産活動においても、サービス業のおいても変わらない。
仕事をすることでまず大切にしたいことは、自分が納得していること。でも、独りよがりにならないためには、その仕事が自分と他人に対するギフト(贈与)となっているかどうかを常に意識していなければいけない。それには、絶妙なバランス感覚が必要だ。主張をすると、自己の誇示に陥りやすい。他人との協調は、自分を押し殺した妥協になりやすい。ただ議論を重ねればいいということでもないだろう。
”他人とつながる”ということは、休むことのない行動力と、何事からも逃げない覚悟が必要だ。


仕事に対する理想論だと、思う。

ハッキリ言って、今の自分には到底ムリ。行動力ないし、覚悟もない。知識やスキルはすべて中途半端。もちろん財産もない。
でも、やりたくないことをやらない”こだわり”だけは持っていたい。仕事において何も具体的な形にできないから、結局、半人前のまま転職の繰り返しだったけど。


「仕事とは自分を誇示する手段ではなく、自分と他人に対するギフト(贈与)」


仕事について勘違いしやすいことを、端的なことばでわかりやすく述べている。
最近、ビジネス本の読みすぎで、「いかに自分を誇示するか」という方向に迷い込んでいたので、忘れていた大事なことを思い出させてくれた。