リアルさを追求すればいいというものではない

一度観終わった『崖の上のポニョ』を、
レンタル期限が迫っているのでもう一度観ようとデッキにセットした。
                      
二度目ってことで、流し台での作業をしながらだったんだけれど
皿洗いで手元に目をやっている間に、
ずいぶんとストーリーが進んでしまうことに驚いた。
                        
最初観たときに「展開が早い」とは感じたけれど
それはずっと画面に注目していての印象だった。
物語の展開に集中していて「早い」と感じたのだから、
今回のように適当な気持ちでいたら、どんどん話題に置いて行かれてしまう。
                  
メイキングのDVD『ポニョはこうして生まれた。』では、
「「かげ」や「ハイライト」を使わないで海をどうやって描くか」って、
宮崎監督とスタッフが悩んでいた。
見直してみて、そこら辺の苦労がなんとなく分った。
色の濃淡やアニメの動きなどで遠近感や躍動感を持たせた映像になっている。
               
はなしの展開が早い中にたくさんのモノが詰め込まれている、
出し惜しみしていない作品だ。
                 
絵は単にリアルさを追求すればいいというものではない、
ということを教えられた。