絶対文章感

ここんとこ、図書館で文章読本の類を漁っている。
ありきたりでつまらない本、説明がわかりづらい本が多い中で、
『耳と文章力』(丸山あかね)という本を手に取ったら、
面白いので読み耽ってしまった。
                         
他の本が、作文技術的なことやネタ探しの方法について
ばかり書いてあるのに対して、この本はちょっとちがう。
                        
特定の人それぞれが生まれ持った特殊な文才があるのではないか、
という疑問を抱くようになった著者が
文章における「絶対音感」のような、
「絶対文章感」ということばを創作していろんな著名人にインタビューしている。
                   
面白い切り口だ。
インタビューされた人たちは、研究者ではなく
著名な作家やライターの人たちなので、
どれも確実な証拠を基に論じているわけではない。
                   
インタビューの相手によって答えは様々で、
どれもそれなりに説得力があるんだけれど、
グイッと引っぱる強い魅力があるわけでもない。
                   
中で、朗読を聞いた体験や、音読によって耳から読書をする経験が
作文能力に影響を及ぼすんじゃないかという意見は、
新鮮だった。