全体を確認してもらいながら、説明をする

『「分かりやすい説明」の技術』(藤沢晃治)を読んだ。
著者は、慶応大学の理工学部を卒業後、
大手メーカーにソフトウェア・エンジニアとして勤務した後、
執筆活動を行なっている。
だから、著者の経験談が、パソコンとか技術系の話が多い。


この手の本は、何冊も読んでいるのであまり期待はしていなかったが、
意外と、今の自分の作業を見直す本になった。


書いてあることに、特に目新しいことはない。
「大局観を先に知らせよ」「結論を先に述べよ」「要点を話せ」など。。。。


でも、「脳内関所」「脳内整理棚」などの造語は、
イラストが良かったためか、このことばが理解に役立った。
特に、ビール瓶から液体が溢れてこぼれるのと上手に注がれるイラストは、
「脳ミソが情報を理解する」イメージがしやすい。


ただ今、再来月にする業務報告の原稿を起こしている最中。
苦心をして、なんとか1時間話し続けられるボリュームの内容に
話しを膨らませたのだが、何回見直しをしても
事の成り行きをペタペタ述べているだけの印象が拭えない。


原稿を音読してリハーサルするたびに、
聞き手に対するわかりづらさを感じる。


場面をイメージし辛い。


業務説明なのだから、時系列に話すのが一番なのだが、
話しがつながらない箇所が何回もある。


  このままでは、事の成り行きを知らない聴衆には、
  わけのわからない、つまらない話しになってしまう。


ずっとそんな危機感を抱えていた。


そんな最中に、この本を読んで、いい対処法が見つかった。
報告の冒頭に、説明内容を6項目に分類して話すことを宣言してしまうのだ。
そして、説明する項目が切り替わるたびに、そのことを宣言する。
「これから、○番目の項目、○○○について説明します。」と。


そうすれば聴衆は、話しの行き先をある程度予測しながら
耳を傾けることができる。
聴衆にとっての不安感を取り除くことができるはず。
説明に身構えるような煩わしさを省いてあげることができるはず。


そのような
全体構成を途中途中にちりばめた原稿にしたら、すごく良くなった。
本当は、話術で聴衆の関心を引き寄せられればいいんだけれど。


全体を確認してもらいながら、説明をする。
「聴衆の心理」「消費者の視点」「ユーザーの立場」の難しさ、
わかっていたつもりだったが、全然わかっていなかったということを
改めて思い知った。