弁証法的・螺旋的思考

昨日、図書館で『5つの仕事力』という本を借りてきた。
ビジネスで活躍する有名人が雑誌『プレジデント』に寄稿したモノを編集した本だ。
その中に田坂広志氏の文があり、ライブドアの日本放送買収劇について、論じている。


  「  これからの時代、放送と通信の融合が起こることは、誰の目にも明らかだが、
     彼ら(当時のライブドア経営陣)には、その洞察がなかった。彼らの思考は、
     「弁証法的・螺旋的思考」ではなく、素朴な、「論理的・直線的思考」であ
     った。」


そっか、当時のホリエモンの発言って正論だとは思ったけれど、
なんかちがう、という感情がくずぶっていた。
彼の発言には、世の中をゴチャゴチャにしてしまう
危なっかさを感じていたが、論理的に説明できないので、
ひがみ根性かな?と自戒の念ももたげていた。
そうしたら、捕まった。


また、ホリエモンの会社経営姿勢についても
田坂氏は簡単なことばで斬っている。


  企業の社会的使命は、本業を通じて世の中に貢献すること。
  そのために収益を上げ、株主に報いらなければならないのであって、
  収益を上げ、株主に貢献するために、企業が存在するわけではない。


田坂氏の記述を読んで、スッキリした。


「金を得る」という行動は、どんな職業であっても、
ひとつひとつの具体的な行動である。
しかし、世界を俯瞰的に観る目を持っていないと、
目先のことに捉われて、ただのガメツイ奴になってしまう。