ムダな出費

昨日立ち寄った市川市鬼高の古本屋、古本市場で、
『あなたの話はなぜ「通じない」のか』(山田ズーニー)が
105円の棚に並んでいた。


先月、大杉のブックオフで、500円で買った本だ。
そのときは、700円で販売していたのを、
セールを待って500円で手に入れた。


105円の値札を見ても、悔しい気持ちは無かった。
この本は、あのときどうしても読みたかった本で、
自分にとっては500円の価値がある内容だったからだ。


何か損した現実に直面したとき、
何かしら自分を納得させる理由が欲しくなる。


悔しい気持ちが強い程、無理やり理由を探し出す。
ほとんどこじつけという時もある。


で、今朝積みっぱなしの本を上から順番に崩していった。
処分するのと残しておくのとに区別するためだ。


そうしたら、したから3冊めか4冊目に
『あなたの話はなぜ「通じない」のか』があった。
少々、カバーが汚れている。ブックオフの105円の値札。


すでに購入済みだったんだ。
あのワクワク感はなんだったんだ?


大杉のブックオフに寄って、この本を見つけたとき、
「欲しい!」と思ったが、我慢した。
翌日が500円セールだったので、わざわざ棚に戻して、
日が変わるのを待った。


セールは確か、日曜だったと思う。
ネット販売目的の輩に先取りされたくないから、
朝10時過ぎに大杉まで自転車をとばした。


そこまで楽しみにして買った本。帰ってきて、すぐに読みだした。


内容も面白い。
2週間以上経った今でも時折付箋紙を貼った箇所を読み直すが、
腑に落ちる文章ばかりだ。


だから、それ以後
山田ズーニー氏の本に出会うとき、いつも読む前に期待をする。


もし、大杉のブックオフでの体験がないと、
この本の内容にもそれほど感銘を受けなかっただろうし、
山田ズーニー氏にもそれほど入れ込まなかっただろう。


そのように考えると、ムダな出費だったのは
大杉のブックオフで支払った500円なのか、
それ以前にどこかで支払った105円なのか?