科学者のプレゼンテーション能力

『ゆらぐ脳』(池谷裕二・木村俊介)の中で、池谷氏は、


「科学者の仕事でとくに大切なのは、プレゼンテーション能力じゃないかなぁ。
世界共通の言葉で他人に伝えられなければ、科学の「分かる」にはなりません。論文を発表できなけば、科学の発見にはならない。
科学の研究の評価は、論文の成否に左右されます。
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科学者のサバイバルのためには、プレゼンテーション能力が絶対に必要なのです。
論文の展開は物語を作らなければなりません。
物語の展開方法で同じ発見もインパクトがまるで異なるものになる。物語を語れなければ実験屋のまま。学会発表や論文の執筆でようやく科学者になれるのです。」


”プレゼンには物語が必要。物語を語れなければ、科学者はただの実験屋”


科学者は事実を突き詰めるのが責務であるから、物語からは一番遠い位置にいる職業だと思っていたが、どうも違うらしい。科学者だからといって、社会と隔絶して生きる訳にはいかない。実験の成果などを発表しなければならない。そのためには、物語を語る必要があるわけだ。
黙々とまじめに実験を繰り返していれば、世紀の大発見が訪れて、それを皆が認めてくれる、という訳ではない。
認めてほしけりゃ認められるよう積極的に行動しなければならない。媚びるのではない。否が応でも認めざるを得ない、というくらいにアピールすることが大事だ。


どこの世界も同じだな。